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ホルモンバランスを整えるのに役立つセルフケア!おすすめのツボ7選!

【この記事の監修者】

千田信子(薬剤師・国際中医師)

株式会社自然の薬箱 代表取締役。薬剤師としての長年の経験に加え、国際中医師として東洋医学の知識を活かし、多くの方々の健康をサポートしている。漢方薬や自然療法を取り入れた独自のアプローチで、心と体のバランスを整えることを目指している。現在は、漢方薬局での漢方相談の他、アロマやハーブ・薬膳などの講座、ヨガや気功などのレッスンの開催を通じて多方面で活動中。
【取得資格】
・薬剤師
・国際中医師
・ (公社)日本アロマ環境協会(AEAJ)認定 アロマセラピスト
・ AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
・AEAJ認定アロマブレンドデザイナー
・yuica認定日本産精油スペシャリスト
・グリーンフラスコ認定J-herbマイスター

※監修者は記事執筆者とは異なります
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生理時の不調や冷え、むくみといった不快な症状は、女性なら誰もが1度は経験したことがあるのではないでしょうか。特に更年期を迎えた女性は、卵巣機能の低下によって女性ホルモンが乱れやすく、様々な不調を感じることも少なくありません。
そんなときに、手軽にできる対処法がツボ押しです。

今回は、不調を感じたときにおすすめのセルフケアの方法をご紹介します。ぜひ日常のケアに取り入れてみてください。

ホルモンバランスが乱れると起きる不調

ホルモンバランスが乱れたときに起きる不調には以下のようなものが挙げられます。

  • 生理不順
  • 肌荒れ
  • 自律神経の乱れ
  • 更年期障害

どんな症状に悩まされているのか自分自身でしっかり把握することで、効果的な改善点を探すことができます。ここからは、それぞれの症状について解説します。

生理不順

女性ホルモンは生理周期に大きな影響を及ぼします。個人差もありますが、通常の生理周期は25〜38日の範囲です。しかし、ホルモンバランスが乱れると周期が不規則になったり、極端に長くなる・短くなることがあります。
生理不順の他にも、経血の量が極端に増減したり、PMS(Premenstrual Syndrome/月経前症候群)やひどい生理痛が現れることもあります。

肌荒れ

女性の肌はホルモンバランスの影響を受けやすいのが特徴です。ホルモンバランスが乱れるとエストロゲンが正常に機能せず、肌の健康が損なわれてしまうためです。特に生理前は、肌荒れを起こしやすい傾向があります。
ホルモンが不安定になる生理前は、乾燥肌の状態となり過剰に皮脂が分泌されてしまうため、ニキビができやすい状態になります。バランスのよい食事や質の高い睡眠を意識し、敏感肌向けのスキンケアでお肌を優しくケアすることが重要です。

自律神経の乱れ

ホルモンバランスと自律神経は密接な関係にあり、どちらかが不調に陥るともう一方にも影響を及ぼします。したがって、自律神経の乱れは頭痛や不眠、生理不順といった様々な体の不調を引き起こす要因となるのです。日頃から生活リズムを崩さないよう意識すると共に、簡単なセルフケアを取り入れるなど、ホルモンバランスを整えるための取り組みを行いましょう。

更年期障害

閉経の約5年前からエストロゲンの分泌が急激に減少し、のぼせ、ほてり、めまい、イライラ、気分の落ち込みなどの症状を引き起こします。これらの不快症状は一般的に「更年期障害」と呼ばれています。

おすすめのツボ7選

おすすめのツボ7つをご紹介します。
それぞれの効能や特徴を理解してから、自身に合うツボを取り入れてみましょう。

三陰交:女性の不調に対する万能なツボ

三陰交

内くるぶしに小指を当て、その位置から指4本分上の骨の端にあたるツボが「三陰交」です。「女性の不調に効果的なツボ」として知られています。
押し方は親指の腹を使ってツボを5秒間、気持ちいいと感じる程度の力で刺激します。左右それぞれに対して、この押し方を5回ずつ繰り返しましょう。

蠡溝(れいこう):東洋医学に伝わるおすすめのツボ

蠡溝(れいこう)

蠡溝(れいこう)は、内くるぶしから親指幅5本分上の骨の位置にあるツボで、生理に伴う急激な痛みを和らげてくれる効果があります。

血海:乾燥などによる肌荒れに効くツボ

血海

足の内側、お皿の上端の角から指3本分上がったくぼみの上部に位置するツボです。血海は「瘀血(おけつ=血流の滞り)を解消するツボ」と言われ、刺激することで血の巡りがスムーズになり、効果が期待できます。肩こりや目のクマなどがある場合も、このツボが役に立ちます。

足三里:疲労感や体のだるさに効くツボ

足三里

足三里(あしさんり)は「長寿のツボ」として知られているツボです。刺激することで全身の脱力感や倦怠感が和らぎ、心身ともに活力が得られるとされています。
ひざ下の窪みから指4本分下がった、向こうずねのすぐ外側に位置しています。
イスに座って親指を足三里にあて、残りの指をふくらはぎに添えて、やや強めに2~3分間押し揉みすると効果的です。

関元(かんげん):便秘解消や胃腸の不調に効くツボ

関元(かんげん)

おへそから指4本分下に位置する「関元(かんげん)」と呼ばれるツボは、「気力が集まる場所」とされており、この部位を温めることで全身を効率よく温めることができます。カイロやお灸などを使用して温めるのがおすすめです。

湧泉(ゆうせん):足の裏にあるおすすめのツボ

湧泉(ゆうせん)

湧泉(ゆうせん)

足裏の真ん中より少し上のくぼみに位置する「湧泉(ゆうせん)」は、足裏のツボの中で「万能ツボ」とまで言われるほど体の不調に効果のあるツボです。

太衝(たいしょう):足の甲にあるツボ

太衝(たいしょう)

「太衝(たいしょう)」は、足の親指と人差し指の骨が交わる点よりもやや指先に近い凹んだ部分に位置するツボで、自律神経の調整やストレス緩和、ホルモンバランスを整えるのに役立つとされています。

ツボの押し方の基本

「痛気持ちいい」程度の程よい力で5秒〜10秒間、3〜5セットの回数を意識してツボを押しながら、ゆっくり深く呼吸をするのがおすすめです。
過度な力で押すのは逆効果となるため、優しくじんわりと押すようにしてください。焦らずゆっくりと行い、じんわりと広がる刺激を感じながらツボ押ししましょう。

ツボの見つけ方

ツボの位置は、それぞれ先に記載したようにおおよそ決まっていますが、体の状態や個人差によって微妙に変化します。
おおよそのツボの位置を目安に、指で軽く押すと気持ちよさや軽い痛み(圧痛)を感じるところがツボです。

ツボ押しの注意点

ツボ押しを行うにあたり、いくつか注意すべき点があります。

  • ツボをアザができるほど強く押さない
  • ツボを押すタイミング

これらの点に留意して、自分のペースでゆっくり行いましょう。

ツボをアザができるほど強く押さない

ツボ押しは手軽にできるため、いつでもどこでも行えるのが魅力ですが、強く何度も押しすぎるとアザができることもあります。「心地よい」または「痛気持ちいい」と感じる程度の力で押すのが重要です。

ツボを押すタイミング

基本的にはいつでも構いません。例えば、目が疲れたと感じたら目頭を押したり、肩がこると感じたら首の付け根をマッサージしたりといった具合です。したがって、不調を感じた際にツボを押すのが有効だと言えます。
さらに、ツボ押しは寝る前にも有効です。就寝前に刺激することで寝ている間に老廃物が流れるので、翌日はスッキリ起きることができます。ただし、血流が急激に良くなるため、稀に気分が悪くなる方もいます。その際には速やかにツボ押しを中止してください。

ホルモンバランスを整えるのに役立つその他の方法

ホルモンバランスを整えるのに役立つ方法は、ツボ押しだけではありません。この章では、ツボ押し以外でホルモンバランスを整える方法を解説します。

栄養バランスのよい食事

バランスのよい食事を意識することで、自律神経を整え、ホルモンバランスに良い影響を与えられます。栄養バランスを意識して一汁三菜を1日3回、しっかり摂ることが大切です。様々な栄養素を摂取するために多種多様な食材を取り入れましょう。

良質な睡眠をとる

質の良い睡眠は自律神経を整えるために大切です。十分な睡眠をとることで、自律神経が整い、ホルモンバランスに良い影響を与えられます。

漢方薬を飲む

漢方薬は、直接ホルモンを増減させるのではなく、心身を本来の健康な状態に戻していくことによって、女性ホルモンのバランスを整えていきます。
例えば、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」は足腰の冷えやむくみ、生理不順などがある方に合う処方で、血流や体内の水分の滞りを良くすることによって体を整えていきます。
また、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」は、生理前や更年期におこるイライラや精神不安、痛みの症状などがある方に合う処方で、自律神経を整え、血流を改善し、体温を正常化することによって体を整えていきます。

漢方薬は、体質を見極めて使用することで、症状を緩和し、体全体を整えていきます。そのため、使用前に専門家に相談することをおすすめいたします。

【まとめ】ツボ押しを取り入れ不調の改善に役立てよう

ホルモンバランスの乱れからくる体の不調を感じたら、まずは生活習慣を見直すことが重要です。同時に、つらい症状にはツボ押しや漢方薬の服用などセルフケアの方法をいくつか知っておくことが大切です。
今回紹介したホルモンバランスの乱れからくる不調におすすめのツボなどを活用して、心身の不調の改善に役立てましょう。